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小池真理子さんの「危険な食卓」

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初刷が97年の作品です。途中まで読んで、そのまま長い間、仕事机の上の積んである資料や本の下の方に埋もれていることに気付き、また最初から読み直しました。もう、脱帽!作者に「負けた!」と頭下げたくなるくらい、読者の予想を裏切って下さる短編小説ばかりでした。短編で、よくぞここまでの展開を。。凄いです。私が、(やられた!)と思ったのは、二作目の「同窓の女」と、最後のタイトル作品です。有名な女社長に、深夜、中学の同級生が電話をしてくる。深夜の電話は不気味なのに、中学以来交流のなかった人から電話がきたら、なお不気味なものです。しかも目的がわからない。だから、主人公が会おうと言われたら、不気味だから断りきれずに会ってしまう。長年で培われた生活や嗜好や価値観が、あまりに違うと知り、同級生と会ったことを後悔するが相手の目的がわからず、どんどん主人公は、はめられて行ってしまう。最後に目的がわかった時には、すでにどつぼ。。主人公と一緒に、私まで青くなってしまいました。「危険な食卓」は、主人公である
夫に同情した。調子のいいヤツは得をするー嫌なことですが確信させられました。夫より遥かに上手だった妻にむかつきながら、本を閉じることになります。それほど、8作品の登場人物と喜怒哀楽を共有できる本でした。
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